AGA治療薬のジェネリック医薬品に関して

長期化するAGA治療において、多くの患者さんが不安視しているのがその治療費用であり、治療薬自体も高額であることが継続治療への不安要素なっていることは確かで、AGAで悩む男性の中には海外で製造されている安価な治療薬を購入して使用しているという実態があります。
AGA治療に有効とされる治療薬には「プロペシア」という名称で販売されている内服薬があり、多くのクリニックや病院で使用される薬がありますが、長期間にわたる継続治療が必要なAGA患者には大きな負担になっています。
そんな中、大手製薬会社であるファイザーが、プロペシアと同等の成分を配合したジェネリック医薬品の製造・販売承認を取得したことで本格的に治療を行える兆しが見えてきたと、男性型脱毛症で悩む人々の中では大きな話題となっています。
そもそも、ジェネリック医薬品とはどういったものなのでしょうか?またプロペシアと違いはどういったところにあるのでしょうか?

 

プロペシアとは、フィナステリドと呼ばれる有効成分が発毛の妨げとなるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制させる働きをし、主にAGAの進行を抑えるのが目的の治療薬で、この治療薬はドラッグストアや薬局などで手軽に購入できるわけではなく、医師の診断のもと処方してもらわないと手に入れることは出来ず、その料金はクリニックによって差があり、都市部になると28錠入り約1ヶ月分で7,500円~8,000円(薬代のみ)にもなり、1年では治療薬だけで約10万円も掛かることになります。
ファイザーが販売するジェネリック医薬品「フィナステリド錠」は、正規品であり有効成分は全く同じで、成分量が0.2mgと1mgの2種類が用意され、厳重な安全性が求められる日本の薬事法において、患者さんによって副作用が起こる可能性があるということから、そのリスクをより低くする0.2mgの低濃度タイプもラインナップに組み込まれたのです。
フィナステリド錠28錠の販売価格は、プロペシアよりも約1,000円~2,000円程安い6,000円~7,000円が相場となっていますが、製造・販売が開始されたのが2015年4月とまだ期間が短いことため、製造体制が大きく整っておらずまた市場への流通も十分でないことから、大幅な値下げに至っていないのが本音であり、この点が整ってくることで相場も徐々に低下してくる可能性は十分にあります。
こうした治療薬が解禁になる以前でも安価な治療薬は存在しており、特に「フィンペシア」と呼ばれるインド製の治療薬は、医師の処方以外に個人的に輸入することが可能であったため、こうした安価な治療薬を個人輸入して使用している患者さんもいます。しかしながら、海外で製造された薬であるため、いくら有効成分が同等のものであってもその製造過程や環境、衛生面などが懸念されているほか、副作用の面もきちんと把握し考慮したうえで個人判断で購入することになりますが、なぜ、こうした輸入が許可されているのかというと、日本が定めている規定の安全性ラインクリアしていることが大きな条件となっており、それをクリアしているものにおいて輸入を認めるという、薬事法の特例があるからです。

 

AGA治療において、以前よりプロペシアを服用して治療を行っていた方には、ファイザーのジェネリック医薬品の販売開始は、治療を継続させるのに大きな光となったのは言うまでもなく、プロペシアと同等の効果が得られるほか、輸入品とは違いきちんと医師の診断を受けてより効果的な処方をしてもらえること、そして何よりもプロペシアよりも安く購入することができるため、経済面・安全面のどちらにおいても安心でき、継続してAGA治療を続けていくことが可能となります。

増えつつあるFAGAの症状と対策

薄毛といえば男性に多い毛髪トラブルというイメージが定着しており、実際男性の場合はAGA「男性型脱毛症」という脱毛症が起こりやすく、現在では約3人に1人が男性型脱毛症によって、髪が抜けやすくなる、また薄毛の進行を感じていると言われている程、男性型脱毛症は男性にとって身近な脱毛症です。

男性型脱毛症は男性ホルモンのテストステロンが、5αリアクターゼという酵素によりDHT「ジヒドロテストステロン」へと変化する事で、起こる脱毛症でジヒドロテストステロンは髪を作る組織である、毛包や毛乳頭の働きを阻害して、ヘアサイクルの周期を乱す事で、薄毛が徐々に進行していきます。

男性ホルモンが原因の脱毛症という事もあり、男性にしか起こらないと言われていましたが、最近女性でも男性型脱毛症と同じ原因で薄毛が進行するFAGA(女性男性型脱毛症)を発症する女性が増えつつあり注目を集めています。

女性の場合、男性ホルモンは分泌しないと思われがちですが、男性と比べると量は少ないものの、男性ホルモンは作られており、男性と同じように5αリアクターゼによってテストステロンがジヒドロテストステロンへと作り替えられ、毛乳頭の働きが弱まる事で薄毛が進行していくというメカニズムでFAGAは起こります。

人間の体に生える体毛は、何もしなくても自然と生えたり抜けたりを繰り返していますが、このサイクルの事を毛周期と言われており、髪の場合はヘアサイクルとも言われ、成長期・退行期・休止期という3つのサイクルで成り立っているのが特徴です。

健康な毛根の場合、成長期は約2年から6年程度続き、この期間髪は太く長く成長するのですが、FAGAとなると成長期が極端に短くなってしまう為、通常成長期である髪にも関わらず未熟なまま抜けてしまいますし、毛根組織が完全に活動を停止する休止期も長くなる傾向にあるので、髪も生えにくくなるのです。

このように、髪の成長が短くなり、しかも髪自体が生えにくくなってしまう事から、FAGAになると徐々に薄毛は進行します。
FAGAの進行具合はI型分類・ II型分類・ III型分類と分けられており、I型分類は頭頂部の一部が薄くなってきたと感じる状態、II型分類は薄毛が広がり見た目にも、頭頂部や分け目などが薄くなったと分かる状態、III型分類はさらに薄毛の症状が進行し、男性のように頭頂部がハゲてしまう場合がほとんどです。

FAGAとなる原因はいくつか考えられており、加齢などによる女性ホルモンの分泌の減少や、過度なダイエット、ストレスにピルの服用、ヘアケアのし過ぎなども挙げられます。

そのまま放置していると、I型分類・ II型分類・ III型分類とFAGAはどんどん薄毛が進行してしまう為、早めに対処しなければ、健康な髪をキープする事は難しくなってしまうでしょう。

男性型脱毛症の場合は、テストステロンをジヒドロテストステロンに変化させる、5αリアクターゼ阻害する効果のある「プロペシア」という内服薬による治療が一般的ですが、この内服薬は女性が服用すると副作用が大きいという事もあり、FAGAの治療には適さないと処方されてきませんでしたが、最近はFAGAの治療に有効な内服薬が開発され、FAGA治療が大きく前進したのです。

「髪は女の命」という言葉があるように、髪は女性にとってかけがえのない体の1部ですが、FAGAによって徐々にその髪が失われてしまうかもしれません。

ですが、FAGA改善に効果のある治療を受ける事で、薄毛の進行をストップするだけでなく、発毛効果も感じられるようになるので、恥ずかしがらずに専門の医療機関をまずは受診する事から、FAGA対策を始めてみましょう。

AGAセルフチェック方法に関しての情報

AGAが発症すると薄毛になる確率が劇的に高くなりますのでAGAの心配をする男性も多いようですが、思春期以降の男性は誰でも発症する可能性があると言えますので、薄毛にならない為にもしっかりと予防を行っていくのが薄毛に悩まされない為のひとつのポイントです。
そしてAGAになる可能性及び発症の兆候を確認する方法がありますので覚えておくことをお勧めします。

AGAが発症する可能性がある人には特徴があり、それは薄毛遺伝子を持っているかどうかなのですが、遺伝というと両親の髪の毛の状態が気になるところではあるものの、しかし遺伝をチェックする際には母方の父親、つまり祖父の髪の毛の状態をチェックしてみることも大切です。
祖父の髪の毛の状態を確認した方が良い理由として、まずAGAというのは5αリダクターゼと呼ばれる還元酵素がひとつの原因になり、還元酵素が男性ホルモンのテストステロンと結合すると脱毛物質に変換されてAGAの発症リスクが高くなります。
そして還元酵素は両親から遺伝しますが、しかしながら還元酵素があるからといってただちにAGAが発症するのではなく、感受性もAGAを発症させる為のキーポイントであり、感受性が低ければ還元酵素があっても薄毛になり難いとされています。
では感受性はどこから遺伝するのかと言えば母方の祖父のXY遺伝子であり、祖父が薄毛になっているようなら要注意と言えるのです。
抜け毛増加を感じた時にも発症リスクがあると言えますが、特に抜け毛の数が1日に100本以上を優に超えているようなら要注意と言えますし、そして抜け毛をチェックした際にミニチュア毛とも言える短い抜け毛が目立っている時には特に危険性があると言われています。
そもそもAGAというのは脱毛物質の作用によって髪の毛のサイクルである毛周期が狂ってしまっている状態なのですが、毛周期のひとつである成長期が短くなっていますので、それによって髪の毛の成長がストップしてしまい、結果的に抜け毛の本数が多くなったり、成長し切っていない短い抜け毛が目立つようになってしまうのです。
その為、抜け毛が多くなってきた時にはAGAの危険性がありますし、また、髪のコシとハリが感じられないようになっている時には発症した可能性が高いと言えますので、抜け毛をチェックしてみたり、髪の毛を触って弾力を確認してみることによってセルフチェックをしてみることができます。
頭頂部や生え際の髪のボリュームが減ってきた時にもAGAの可能性がありますが、AGAになると頭頂部、もしくは生え際から薄毛になりますし、また、体質によっては双方から同時に薄くなりますので、該当箇所が薄くなってきた時にはAGAを疑うのが基本と言えます。

AGAのセルフチェックの方法は以上のようにいくつかあるのですが、どれかひとつでも当てはまるようですと薄毛になる可能性がありますし、特にAGAは強力に脱毛を促進する脱毛症ですので、薄毛が気になりはじめてから短期間で薄毛になる可能性があることを知っておいた方が良いと言えます。
そして症状が見られた時には速やかに治療を受けることが大切であり、現在ではAGAに有効な治療法が確立されていますのできちんと対策をすることによって回復できる可能性も高く、実際に治療を受けて薄毛を改善できた例も沢山ありますので薄毛になりたくない時には治療を検討してみた方が良いでしょう。
ただし、薄毛になる原因はAGAだけではありませんし、別の原因によって薄毛になっている時には原因に適した対策をしないと改善することは難しくなりますので、薄毛の原因を見極める為にも病院に行って相談をしてみた方が良いと言えます。

AGA治療の歴史とはどのようなものか

AGAとはandrogenetic alopeciaの略で男性型脱毛症を指す言葉で近ごろはCMなどで耳にすることが多くなりましたが、その治療の歴史を振り返ってみると、実に感慨深いものがあります。
史実に残っている限りでは、世界ではじめて男性型脱毛症(AGA)の概念に気がついた人物は紀元前400年ごろに活躍し、今でも医学の父の名で形容されているヒポクラテスという医師であり、彼はその著書の中で『奴隷にはげはいない』と記しています。当時の奴隷の中には宦官も多く存在し、彼らのなかにはげはいないことからヒポクラテスははげの原因は睾丸にあるという考えに至ったのです。そしてヒポクラテスが亡くなった頃から同じギリシアの地で活躍した哲学者アリストテレスも睾丸に原因があると考え、彼は著書の中で『すべての動物のうち、人間はもっとも著明にはげやすい動物であるが、興味深いことに、思春期以前にはげる男性はおらず、そして性行動を有する男性ははげる。女性は子どもと同じように精子を分泌しないのではげることはなく、奴隷もまたはげないのは睾丸がないからであり、奴隷は幼少期に去勢すれば、成長してからも体毛が全く生えず去勢前に体毛を有していれば陰毛のほかは抜け落ちるが、女性も同じく陰毛以外の毛は生えない』と述べています。
薄毛を隠したい気持ちは古今東西かわらないようで、紀元前100年ごろにローマで活躍したあのカエサルは実はAGAで、その薄毛を隠すためにいつでも月桂樹の冠をかぶっていてもよいかという嘆願を元老院に出していたと伝えられていますが、そのような努力もむなしく凱旋式の折などには市民からはげの女ったらしめと野次をとばされてしまっていたそうです。
このようにいつの時代も世のはげの男性たちは、はげに悩み、はげを恥じ、はげを隠すために涙ぐましい努力を重ねてきたのですが、時代がずっと進んで、前世期になるとついにはげには男性ホルモンが大きく関係していることがわかりました。米国医師ハミルトンは実験を重ねて①睾丸を摘出され男性ホルモンを作り出せなくなった人ははげることがなく、はげが進行している人の睾丸を摘出すると、それ以上はげが進行しない②はげの進行中に去勢され、その進行が止まっていた人に男性ホルモンと同じ働きをするテストステロンというホルモン剤を投与すると、再びはげ始めること③さらにもともとはげていなかった男性は、去勢後にテストステロンを注射してもはげないということを突き止めました。彼はこの実験をさらに進めてAGAはテストステロンが原因で生じるが、そもそもの要因は遺伝的なものであり、AGAになるか否かは血液中のテストステロンレベルにかかわらず、生まれもったテストステロンの感受性に因ることを訴えました。つまり、生まれながらテストステロン受容体をもっている人間が大量のテストステロンを浴びた場合においてAGAになるというわけです。やがて1960年代にはいると、AGAにはジヒドロテストステロンという男性ホルモンが関与していることが示されるのですが、このジヒドロテストステロンは幼少期には性器の発達に関与したりと、成長過程では欠かせないホルモンですが、成人を超えてからは、AGAだけでなく、前立腺肥大、ニキビなどを引き起こす要因となるため、悪玉の男性ホルモンと呼ばれています。
そしてついに1997年に米国でAGAの薬として「プロペシア錠1mg」が発売され、日本では遅れること2005年にメルクの日本法人MSD(当時万有製薬)が、国内で初めてAGAの薬として厚生労働省に認可され「プロペシア錠1.0mg」、「プロペシア0.2mg」が発売され現在にいたるのです。
かつてはAGAの原因は頭皮の脂という俗説が支持され、これに悩む男性は自らの生活習慣を恥じ、改めることに精を出していましたが、医療はすすみ、今ではAGAも他の病気同様に早期の対処が、その後を大きく左右するものとして、症状が現れ始めたら少しでも早い治療を受けることで、その進行を食いとどめることも可能となってきているのです。

進化するAGA治療の毛髪再生医療に関して

比較的若い時期から頭髪が薄くなっていくAGAは、男性型脱毛症と訳されており、思春期が終わった頃から抜け毛が多くなったり、毛髪が細くなる、毛髪が伸びるペースが落ちた、地肌が透けて見える、頭皮が脂っぽいなどに加えて、髪が少ないことが不安になると感じるとAGAの症状と指摘されています。AGAはいわゆる生え際が交代するM字型、頭頂部が薄くなるO型の2つが主となっていて、年齢を重ねるごとに進行していくのですが、何が原因となりどんな対策があるのでしょうか。

AGAの原因として挙げられているのが遺伝や男性ホルモンやストレスで、ドイツのボン大学のチームが2005年に発表した論文では、母親から受け継いだX線染色体にあるホルモン受容体に変異があることが確認され、母方の祖父を見れば将来の頭髪を予想できると指摘されているほか、ストレスも大きな要因と考えられているため仕事や家庭などの人間関係を解消する手段や方法が求められています。今までのAGAへの対策のほとんどは、毛髪再生よりも保存するほうが容易であったことから、毛髪の老化を抑え抜け毛を減らすことを重視しており、生え際の後退を抑止する効果が確認されているフィナステリドやミノキシジルなどの医薬品が利用されてきました。

しかし、これらの医薬品は現状維持が可能なレベルにとどまり大幅な改善が難しいことから、より根本的な治療方法が研究され「成長因子」が注目されるようになったのです。成長因子(グロースファクターとはタンパク質の一種で、髪を作る毛母細胞に対して信号を出し、新しい毛髪を増やしたり成長させる役割をになっていますが、AGAの場合にはこの成長因子を出すことができなくなっているので、再生させることがAGA対策の要と考えられています。
最近では毛髪再生を行うことで、後退した生え際を元に戻す治療方法が増えており、ケラステム毛髪再生がその代表例といえます。

ケラステム毛髪再生とは、自分の脂肪から抽出した幹細胞を頭皮に注入する毛髪再生医療で、活発化させた幹細胞により頭髪を再生させる効果が確認されていて、美容皮膚科などで受けることのできる一般的な治療方法としても知られはじめました。また、2003年には日本の化粧品メーカー・資生堂が毛髪再生事業への参入を表明し、カナダのバイオベンチャー・レプリセルライフサイエンスと技術提携を結び本格的な研究を開始しています。

資生堂とレプリセルライフサイエンスが目指す毛髪再生治療法は「底部毛根鞘細胞」を利用したもので、毛根周辺にある底部毛根鞘細胞を培養して頭皮に移植することで毛髪再生を目指し、2018年にも事業化を目指しているのです。これらの研究は、資生堂が2014年5月に開設した神戸の毛髪再生医療の拠点で始まっており、新領域研究センター 再生医療プロジェクト室長で農学博士・岸本治郎氏を中心に研究が取り組まれています。これらに加え、人体のあらゆる細胞に分化できるiPS細胞の特長を利用した研究が進められ、2013年5月には慶応大学が髪の毛が作られる「毛包」そのものを部分的に再生したと発表、このまま研究が進展すれば、より抜本的な治療方法になると期待されているのです。

今までの医薬品を中心としたAGA対策の多くは、頭髪の後退を遅らせることに重きをおいていましたが、現在では自分の培養した幹細胞や自毛を移植したり、毛包そのものを再生することにより根本的な治療を目指す研究が進められていて、近いうちにより効果のある治療方法が開発されると期待されていると同時に、コストダウンを行うことで頭髪で悩む多くの方が利用しやすくすることが大きな課題となっています。

現在では成長因子(グロースファクター)を用いた最先端のAGA治療は、AGA治療専門病院の銀座総合美容クリニックの育毛メソセラピーで受けることが出来ます。東京都内で成長因子(グロースファクター)を受けることを検討している方は、検討してみても良いでしょう。

男性型脱毛症(AGA)診療ガイドラインに関してのポイント

これまでにもハゲができてしまう男性はいましたが、たいていは年齢のためなどといった理由で積極的な治療を行うひとは珍しかったかもしれませんが、最近では男性型脱毛症(AGA)として治療法も確立されつつあり、一般的なひとたちにもとても身近なものになってきています。これまでは、コスメ化粧品であったり医薬品、医薬部外品、あるいは民間の治療法など、いろいろな方法でハゲをなおそうというこころみはありましたが、はっきりとした根拠のある治療法ではなく、それらを判断できる基準もなかったためにハゲになやんでいる人たちにとってはどんな治療方法を取り入れればよいのかわかりにくいといったデメリットがありました。

そこで、2010年からは日本皮膚科学会から男性型脱毛症(AGA)を診療していくにあたって利用するガイドライン40269が作られ、発表されるに至り、これまでと比べてよりわかりやすく、そして適切な治療に患者さんを導くことができるようになっています。
その男性型脱毛症(AGA)診療ガイドラインは推奨度の分類A、推奨度の分類B、推奨度の分類C1、推奨度の分類C2、推奨度の分類D、と細かく分けられており、薬品や施術によって推奨されるレベルを確認することができます。
男性型脱毛症(AGA)になってしまうのは、男性ホルモンが作られてから酵素のはたらきによってジヒドロテストステロン、DHTという物質に に変換されることで毛周期が正常にサイクルしなくなることが原因ですが、この酵素をブロックすることで抜け毛を引き起きおこしたり髪の毛の成長をはばんでしまう原因となっている酵素を抑制するために使用される飲み薬として薬品名はフィナステリドというものがありますが、プロペシアといった名前でもよく知られていて、1日に1回服用するだけという気軽に飲めるお薬で、食前や食後などの飲むタイミングにも指定がないのでどんなライフスタイルのひとでも取り入れやすいお薬だといえます。
これは外用薬として頭皮の血行を促進して髪の毛が成長しやすくするミノキシジルと合わせて推奨度の分類はAとなっていて、もっとも推奨される治療方法です。ミノキシジルは、カークランドという商品名で知られている音もありますが、外用薬なので1日に2回ほど、朝と晩に頭皮に塗っていきます。4か月から6か月ほどの塗布が目安となりますが、ただしこの外用薬のミノキシジルは心臓病や低血圧があるひとには向かないこともあり、頭皮にかゆみが出たり頭皮が赤くなるといった副作用が出るひともいるので、医師と相談のうえ使用していくことがたいせつです。
そしてその次に推奨度の高い分類Bには、自分の髪の毛を使って植毛をする自毛植毛術で、推奨度の分類C1には塩化カルプロニウムやt-フラバノン、アデノシンなどを使用した治療が分類されています。そして推奨度の分類C2はセファランチンによる治療、そして最後の推奨度の分類Dは行わないよう勧めるもので、人口毛を使った植毛術が分類されています。

ガイドラインを策定の理由はこのように推奨度の高さによって分類していくことで医師など医療従事者はもちろんですし、わたしたち患者として治療を受ける側にとってもどのような治療が効果が見込めておすすめなのかが日本皮膚科学会のお墨付きで分かるので不安を抱えることなく治療に臨んでいくことができるメリットが大きいといえます。中には効果が見込めないのに強くすすめられたことで時間やお金をたくさん失ってしまうといったケースもあるため、根拠がなかったりほどんど根拠が希薄な治療方法にひっかからないいようにするためにも大いに参考になります。

AGA治療薬のミノキシジルに関して~発毛に対して有効

発毛や育毛に関しては毛母細胞が重要な役割を担っており、この活動が不活性化すると発毛や育毛にトラブルが発生しやすくなり、また発毛や育毛のサイクルそのものが乱れてしまうことにつながる場合もあるため、毛母細胞の活性化を目指すこと、保つことは、頭髪トラブルを防ぐ、改善する上で非常に重要です。
毛母細胞の活動が不活性になる原因は様々ありますが、全身や頭皮の血行不良が悪くなることで、毛母細胞の活性化に必要な栄養がじゅうぶんにそこに行き届かないことが大きな原因とされていますから、毛母細胞の活性化を目指すためには血行不良を改善する必要があります。
血行不良が発生してしまっている原因も高血圧などの疾患、冷え性などの体質、また運動習慣がないことによる代謝の低下、そして頭皮の乾燥、過剰な皮脂の分泌などが挙げられるため、それぞれの原因に応じた対策をとることが必要ですが、その対策の中でも有効とされているのがミノキシジルと言う成分の力を借りることです。

ミノキシジルは、1960年代にアップジョン社によって創製された血管拡張剤としての成分で、そのため元々は高血圧改善のために使用されていたのですが、これを使用した患者の多くに、毛が太くなったり、濃くなったりする多毛症の症状が見られるようになったことから、頭髪トラブルを改善するために使用されるようになったと言ういきさつを持っています。
1980年代、やはりアップジョン社がRogaineと言う名称で、発毛を目的としてミノキシジルを含んだ外用薬の販売を開始し、そして日本でも大正製薬が、ミノキシジルを含んだ育毛及び発毛剤として1999年からリアップと言う製品の販売を開始させました。
これはいわゆるダイレクトOTCと呼ばれる、医師による処方箋がなくても購入することができる製品のため、気軽に利用できる、しかも効果が実証されている育毛及び発毛剤として高い人気を得て、2005年にはその女性版であるリアップレディの販売も開始されています。
男性版のリアップを女性が使用することは、女性の頭皮は男性に比べると乾燥しがち、そしてデリケートであることも多いので、おすすめできることではありませんから、女性はやはりリアップレディを使用する方が賢明です。
なおミノキシジルは外用薬として使用するのが一般的で、これはミノキシジルに対しては頭痛やむくみ、手足の痺れと言った副作用の可能性が完全に否定できないためであるのですが、日本国内においてはミノキシジルを成分とした内服薬であるロニテンを個人輸入の形で入手することは可能ですが、これは国内では未認可であること、元々は医療現場で使用されていた成分であるため、服用の仕方によっては重篤な症状が引き起こされる可能性もあることを頭に入れておく必要があります。

血管拡張剤としてのミノキシジルを頭皮、ひいては毛母細胞周辺に高濃度に留めておくことによって、頭皮の血管が拡張され、血流が促進されれば、毛母細胞にもじゅうぶんな栄養が届き、毛母細胞の活性化が期待できると言うのが、頭髪トラブルを改善するために使用されているミノキシジルに見込まれている効能です。
しかし頭皮が清潔に保たれていなければ、ミノキシジルが浸透しないため、効果を得ることも難しいですから、ミノキシジルを外用薬として使用するのであれば、まずは頭皮を清潔に保つことにも配慮する必要があります。
また常に、毛母細胞周辺にミノキシジルを高濃度に保っておくことが必要なため、リアップシリーズは朝と夜、1日2回の使用を用途としており、朝に使用し忘れたからと言って夜に2回分使用しても、それは正しい使用方法とは言えませんから、効果を得るためには正しい用途を守ることも必要です。
そして発毛サイクルは非常に長いスパンで行われているものですから、ミノキシジルを使用したからと言って即座に効果が出てくると言うものでもありませんので、根気強く使用し続けることも必要なことです。

AGA治療薬のプロペシアに関して~その効能や注意点

AGAが発症する原因は様々ですが、その最たるは男性ホルモンと特定酵素の働きにあるとされており、これは男性ホルモンが毛母細胞に存在する男性ホルモン受容体に結合すると、そこで特別な酵素、5α-リダクターゼが男性ホルモンに作用し、その結果として男性ホルモンがDTHと呼ばれる、より強力な男性ホルモンであるために頭皮に悪影響を及ぼし、そこから脱毛を誘発してしまう物質に変換されてしまうため発生してしまうと言うメカニズムです。
このようなメカニズムで発症したAGAに対しては、この男性ホルモンや特定酵素に直接、働きかける作用を持った治療薬を使用することが重要であり、その治療薬として挙げられるのが成分としてプロペシアを含んだ、一般名フィナステリドと呼ばれる治療薬です。

一般名フィナステリドの中に含まれているフィナステリドは、米国メルク社が開発した薬のひとつで、男性ホルモンをDTHに変換してしまう5α-リダクターゼを阻害する作用を持っており、つまりは5α還元酵素阻害剤としての役割を果たすと言うものであり、元々は男性の前立腺疾患治療の現場で使用されており、別の薬と組み合わせることで前立腺肥大症の症状の進行を抑える効果があります。
日本においては一般名フィナステリドのみが、米国メルク社の日本法人であるMSD製薬から販売されており、1日1回の内服を続けることによって、男性ホルモンと5α-リダクターゼを原因とするAGAの改善に高い効果が見込むことができます。

ただしプロペシアを含んだ一般名フィナステリドの服用に関しては、いくつか注意点があります。まずは女性禁忌だと言う点です。女性の体内にも僅かながら男性ホルモンが分泌されており、加齢と共に女性ホルモンの分泌量が減少すると、男性ホルモン優位となり、女性でもFAGAと呼ばれる脱毛症が発症することがありますが、だからと言って一般名フィナステリドを女性が服用することは認められていません。
女性の体内の男性ホルモン分泌に作用が及ぶと言うことは、同時に女性ホルモンの分泌バランスにも影響を及ぼすことであり、その結果として、心身面でのトラブルが発生する可能性も否定できないためで、また特に妊娠を目指している女性や、妊娠中の女性はこの治療薬の割れた欠片にすら触れることが禁じられています。
これはその女性の健康に対しての影響は勿論のこと、胎児の健康に対しても影響が及ぶ可能性があるためで、特に胎児が男児であった場合、プロペシアの成分によって男性器の形成に影響が及ぶ可能性があることも報告されていますから、この薬を服用している男性で、周囲に妊娠を目指している女性、あるいは妊婦さんがいる場合は配慮が必要ですし、妊娠を目的とした性交渉を持つ場合は、その期間中はフィナステリド配合薬の服用は中止した方が安心です。
それから、ポストフィナステリド症候群も頭に入れておくべき注意点で、この症状としては男性ホルモンに作用が及ぶため乳房が膨らむ、体毛が薄くなると言った体の女性化や、性欲や活力が減退すると言った症状、更には勃起不全や精子の減少と言った男性機能の低下などを挙げることができます。また内服薬として成分を体内に取り込むので肝臓への負担もある程度は避けることができないため、元々、肝機能が弱っていた人は肝機能低下の症状が出てくる場合もあります。
フィナステリド摂取には、副作用発症の可能性があることが報告されているのですが、その副作用はフィナステリド摂取を中止するとなくなるのが一般的で、しかしポストフィナステリド症候群は、薬の服用を止めたのに副作用が続いたり、止まっていた副作用が、薬の服用を再開してもいないのに、数週間から数カ月後に再発すると言うのが特徴です。
ですから、一般名フィナステリドをはじめとするプロペシア成分を、AGA治療目的で使用する場合は、専門医と副作用などについてもじゅうぶんに相談し、それらに納得したうえで服用することが必要です。

AGA患者数の推移に関して詳しく解説します

男性にとって頭髪はとても大切なもので、ある意味、自分の外見や第一印象を決定付ける要素とも言えるほどですが、しかし若くしてこれらが抜け落ちて頭髪が深刻な薄毛に見舞われることも少なくありません。こういった薄毛症状は日々、鏡の中の自分の姿を見つめるだけでストレスとなりますし、仕事で取引先の担当者と打ち合わせをしている時でも、あるいは異性とデートしている時でも、相手の視線が頭部に及ぶことが気になるなど極めて強いコンプレックスとなって、すっかり自信を喪失してしまう精神状態に陥ることもあるでしょう。

これらの薄毛症状には様々な原因が関わっていますが、大きく三つに分けると、まずは頭皮環境の不衛生化が挙げられ、次に生活習慣によるホルモンバランスや頭皮の血行の悪化があり、さらにはこれらとは一線を画した病気症状であるAGAが大きく関わっているものもあります。このAGAとは男性型脱毛症と呼ばれるもので、精巣で作り出されるテストステロンという男性ホルモンと頭皮付近に存在する5αリダクターゼという酵素が出会って反応し合うことでDHTという物質を作り出し、これを毛乳頭が感知するとただちに頭髪の成長が終了してしまったものと判断して栄養分の補給をストップさせ、栄養不足に陥った頭髪はそのまま抜け落ちていくままとなってしまうのです。

こういったAGAは近年の医学の進歩によって大きく取りざたされるようになってきた症状ですが、年々増加傾向にあり、現在の統計ではAGAの人は全国で約1,260万人以上を記録しており、日本人の人口が1億2000万人であることから概算では約10人に1人が男性型脱毛症という割合となっています。

かつてはこのような薄毛症状に陥ることはとても恥ずかしいと思う人も多く、さらに薄毛治療のために通院していることをひとつのコンプレックスのように感じて人に言えないことと受け止める人も多かったようですが、最近では身の回りの内科や外科や皮膚科、美容クリニック、そして薄毛治療専門クリニックなどでもこうした病気に対応できるようになってきており、昔に比べて気軽かつ簡単に診察を受けることができる現状にあり、実際のところの数値としてはケアを実施済み約650万人にのぼる勢いを見せています。

とりわけAGAに関しては早期治療が効くと言われており、ずっとそのままに放置しておくとだんだんと治療効果が出るのにも時間がかかるようになってしまいます。AGA治療の進歩も顕著で、最も一般的なものとしては飲み薬を用いた治療法が知られており、これはフィナステリドと呼ばれる成分を含んだプロペシアなどの錠剤を処方することで5αリダクターゼの2型の働きを抑制し、それによって男性ホルモンとこれらの酵素が反応してDHTを作り出すのをできるだけ制限することによってAGAの発症を抑制することが可能となります。さらにこの治療に加えて、ミノキシジルという成分を含んだ塗り薬を頭皮に塗り込むことで頭皮の毛細血管を拡張させ、血流量に乗せて多くの栄養分を毛乳頭へと運搬できる状態を整備するというのも効果的です。

さらにAGA治療の進歩はこれ以外の専門治療も患者に提供しています。まずは成長因子や栄養分を混ぜ合わせた特殊な液体を薄毛を発症した頭皮に注射し、それらが頭皮の環境変化を促して毛髪が育ちやすい状態を作り出すようにします。そして人工毛や自毛を薄毛部分に植毛するという手法も知られており、特にAGAによって毛根が失われてしまっている場合にはこういった自毛の植毛によって毛根部分の定着を促して、遺伝子的にもより良く成長していくように育てていくという手法も有効です。まずは気軽に医師の診察を受けた上で、金銭的にもコンディション的にも自分のニーズと合致する手法を選択してAGA治療に取り組んでいくことが求められるでしょう。

AGAと生活習慣に関して見直したい事とは

AGAの症状が現れ始めると誰でも髪の毛の状態や頭皮の健康ばかり気になってしまい、正しく原因を把握するという部分にまで気が回りませんが、実は症状を改善させて予防も行うためには原因を知ることがもっとも大切であり、AGAは遺伝性の問題ばかりでなく後天的な原因が深く絡んでいることを理解しなければなりません。
確かに父親や祖父などの親族の多くに薄毛の症状が現れているケースもあり、遺伝的に男性ホルモンの影響を深く受けてしまう体質の人はいるのですが、遺伝的な問題だけで発症するケースよりも乱れた生活習慣が引き起こしているケースの方が圧倒的に多いので、生活習慣に自信の無い人で薄毛に悩まされている場合には一度見直してみる必要があります。

AGAの発症に深く関わっていると言われている習慣の一つに喫煙が挙げられますが、どうして喫煙をすることによって髪の毛の成長が阻害されるのかというと、タバコには血管を収縮させる作用があり、頭皮の血行が悪くなって必要な栄養素が毛根まで届かなくなるために毛母細胞の働きが鈍るためです。
血流の悪化はお酒の飲み過ぎでも起こることがありますので、毎日の飲酒を習慣にしている人は気をつけなければなりませんが、飲む量がそれほど多くなければ逆に血行改善の働きが期待できると言われていますので、飲み過ぎていなければそれほど問題になることはありません。
血行不良は現代人の大きな問題となっているストレスによっても起こりますので、ストレスを受けているという自覚のある人はうまく発散できる方法を考えたり、ストレスを排除する方法を探さなければなりません。
また、いくら血流の状態に問題がなくても偏食やダイエットなどによって栄養不足が深刻な場合には毛根まで栄養が届かなくなりますので、必要な栄養素をバランス良く摂取できるようにメニューを考えることも大切です。
その他、寝不足によっても発毛力は低下することがありますので、日々の睡眠は足りているか、睡眠の質は良いかを考える必要がありますし、問題を発見したら改善できるように少しずつ生活リズムを変えていかなければなりません。

AGAという言葉はすでに多くの人が知っていますが、まだまだ生活習慣が薄毛や抜け毛の発症に絡んでいると考える人は少ないようです。
全身の血流が悪ければ当然頭皮の血流も悪くなりますが、実際にどのような状態かを知るためには頭皮を触っているとすぐに分かりますし、肩こりが酷かったり眼精疲労に悩まされている場合にも可能性が高いと考えられます。
血流を一時的に改善する方法として頭皮マッサージが非常に有効であり、最近では毛細血管を拡張して血行を促進させるタイプの育毛剤も売られていますのでこれらを取り入れるという方法もありますが、どちらも体の状態が変わらなければ根本的な解決にはなりませんので、やはり本格的に改善させたいなら生活習慣を改める必要があります。
特に喫煙やストレス、栄養不足の影響は深刻であり、髪の毛だけでなく全身の健康状態において様々な影響を及ぼす恐れがありますので、そのままにすることは良くありません。
このような生活習慣の改善が必要なケースでは、できることから少しずつ変えていくという方法が継続しやすいので、即効性が望めずすぐに効果がでないのではないかと考える人も多いようですが、複数の要素を改善できればその分幅広い効果が期待できますし、体の内側から働きかけるにはやはり生活の仕方を変えていくしかないのです。
生活習慣が絡んでいるということからも分かるように、体の状態が良い人は髪の毛の問題を抱えていることが少なく、反対に健康状態に不安がある人は薄毛などの症状に悩まされていることが多くなります。

AGAの原因に関して~症状や治療法など

AGAとは男性型脱毛症と訳される症状で、思春期以降の成人男性に見られる薄毛の症状ですが、他の薄毛の症状とは異なり、ひとつは後頭部を中心にOの字を描くようにして大きく薄毛が広がる、もしく前側頭部にMの字を描くように薄毛が進行していくのが特徴で、どちらかのみが発症する人もいれば、両方混合で症状が出てくる人もいます。
初期の段階では発毛や育毛のサイクルが休止期に突入するため、太く長い毛の抜け毛が目立つようになり、その後、抜け毛の症状は見られなくなりますが代わりに地肌が透けて見えるような薄毛の症状が目立ってくるようになり、そのまま薄毛が進行していくと先に述べた部位の毛がほとんどないと言うような状態を招くことも少なくありませんし、発毛周期そのものが大きく乱れてしまうと、治療に時間がかかる、あるいは治療の効果を得にくくなるため、早期の段階で適切な治療を受けることが重要です。

男性型脱毛症が発症する原因は頭皮の健康状態、更に体全体の健康状態、生活習慣、遺伝など様々ありますが、その最たるものは男性ホルモンのテストステロンと特定酵素の働きによるものだと言われており、男性ホルモンであるテストステロンが、発毛に欠かせない役割を果たしている毛乳頭細胞にあるアンドロゲン受容体に入ると、そこで5a還元酵素の作用を受けます。
この5a還元酵素には、5α還元酵素1型と5α還元酵素2型があるのですが、これの作用によってテストステロンは、ジヒドロテストステロンと言う物質に変換されてしまい、元々、男性ホルモンは発毛に対しては抑制する作用を持っているのですが、このジヒドロテストステロンは更に強力な男性ホルモンとも呼べる物質であるため、発毛や育毛、また毛周期に対して抑制する力を発揮してしまうと言うわけです。
アンドロゲン受容体と結合したジヒドロテストステロンは細胞の核に移動し、それによって毛乳頭細胞がつくる発毛などの指令因子が調節されてしまった結果、脱毛因子であるTGF-β1が増加してしまい、脱毛指令であるFGF-5が発令されてしまうと言うのが男性型脱毛症のメカニズムです。
5a還元酵素の内、5α還元酵素1型は全ての毛の毛乳頭細胞にあり、5α還元酵素2型は前頭部や頭頂部の頭髪の毛乳頭細胞に分布しているため、特に後者のアンドロゲン受容体とテストステロンが結合してしまうとその部分の発毛が抑制され、薄毛が進行していくようなAGAの症状が出やすくなると言う具合です。
また強力な男性ホルモンであるジヒドロテストステロンには、皮脂を過剰に分泌させる作用もあるため、それによって頭皮の健康状態が損なわれ、発毛周期などが乱れてしまうことも原因のひとつです。

男性型脱毛症の最たる原因は男性ホルモンと5a還元酵素の結合、そしてそれによってTGF-β1が増加したり、FGF-5の指令が出されてしまうことですから、治療においてはこれらを阻害、抑制することに重きが置かれており、男性ホルモンや5a還元酵素の結合に関しては、これらに作用をもたらすフィナステリドと呼ばれる成分が配合された内服薬が処方されることが多いです。
元々は前立腺疾患治療のために開発されたこの成分は、内服薬ですから服用し続けることで、特に早期の男性型脱毛症に対しては高い効果を見込むことができますが、一方で服薬中は勿論のこと、服薬を中止した後や服薬終了後にも副作用が出てくる可能性があるため、服薬に際しては医師とよく相談することが必要です。
またFGF-5抑制に関しては、バラ科の植物のエキスに含まれているたんぱく質が効果があるとして注目を集めていますので、それらが配合された育毛剤などを使用することも治療としては有効です。
そしてジヒドロテストステロンによる過剰な皮脂の分泌を丁寧に洗い流して、頭皮の健康状態を健やかに保つことも必要で、特にこれは、育毛剤を使用する場合にはその成分の浸透を良くするために重要なことです。