発毛や育毛に関しては毛母細胞が重要な役割を担っており、この活動が不活性化すると発毛や育毛にトラブルが発生しやすくなり、また発毛や育毛のサイクルそのものが乱れてしまうことにつながる場合もあるため、毛母細胞の活性化を目指すこと、保つことは、頭髪トラブルを防ぐ、改善する上で非常に重要です。
毛母細胞の活動が不活性になる原因は様々ありますが、全身や頭皮の血行不良が悪くなることで、毛母細胞の活性化に必要な栄養がじゅうぶんにそこに行き届かないことが大きな原因とされていますから、毛母細胞の活性化を目指すためには血行不良を改善する必要があります。
血行不良が発生してしまっている原因も高血圧などの疾患、冷え性などの体質、また運動習慣がないことによる代謝の低下、そして頭皮の乾燥、過剰な皮脂の分泌などが挙げられるため、それぞれの原因に応じた対策をとることが必要ですが、その対策の中でも有効とされているのがミノキシジルと言う成分の力を借りることです。
ミノキシジルは、1960年代にアップジョン社によって創製された血管拡張剤としての成分で、そのため元々は高血圧改善のために使用されていたのですが、これを使用した患者の多くに、毛が太くなったり、濃くなったりする多毛症の症状が見られるようになったことから、頭髪トラブルを改善するために使用されるようになったと言ういきさつを持っています。
1980年代、やはりアップジョン社がRogaineと言う名称で、発毛を目的としてミノキシジルを含んだ外用薬の販売を開始し、そして日本でも大正製薬が、ミノキシジルを含んだ育毛及び発毛剤として1999年からリアップと言う製品の販売を開始させました。
これはいわゆるダイレクトOTCと呼ばれる、医師による処方箋がなくても購入することができる製品のため、気軽に利用できる、しかも効果が実証されている育毛及び発毛剤として高い人気を得て、2005年にはその女性版であるリアップレディの販売も開始されています。
男性版のリアップを女性が使用することは、女性の頭皮は男性に比べると乾燥しがち、そしてデリケートであることも多いので、おすすめできることではありませんから、女性はやはりリアップレディを使用する方が賢明です。
なおミノキシジルは外用薬として使用するのが一般的で、これはミノキシジルに対しては頭痛やむくみ、手足の痺れと言った副作用の可能性が完全に否定できないためであるのですが、日本国内においてはミノキシジルを成分とした内服薬であるロニテンを個人輸入の形で入手することは可能ですが、これは国内では未認可であること、元々は医療現場で使用されていた成分であるため、服用の仕方によっては重篤な症状が引き起こされる可能性もあることを頭に入れておく必要があります。
血管拡張剤としてのミノキシジルを頭皮、ひいては毛母細胞周辺に高濃度に留めておくことによって、頭皮の血管が拡張され、血流が促進されれば、毛母細胞にもじゅうぶんな栄養が届き、毛母細胞の活性化が期待できると言うのが、頭髪トラブルを改善するために使用されているミノキシジルに見込まれている効能です。
しかし頭皮が清潔に保たれていなければ、ミノキシジルが浸透しないため、効果を得ることも難しいですから、ミノキシジルを外用薬として使用するのであれば、まずは頭皮を清潔に保つことにも配慮する必要があります。
また常に、毛母細胞周辺にミノキシジルを高濃度に保っておくことが必要なため、リアップシリーズは朝と夜、1日2回の使用を用途としており、朝に使用し忘れたからと言って夜に2回分使用しても、それは正しい使用方法とは言えませんから、効果を得るためには正しい用途を守ることも必要です。
そして発毛サイクルは非常に長いスパンで行われているものですから、ミノキシジルを使用したからと言って即座に効果が出てくると言うものでもありませんので、根気強く使用し続けることも必要なことです。